前回のコラムでは、毎月お金を使う前に、
ちょっとした工夫をするだけで赤字対策ができるヒントをお伝えしました。
それは「家計費の予算化」でしたね。
食費を4万円、外食費を1万円、日用品を1万円、水道光熱費を1万円…というように、
家計簿の費目別に、予算を決めてから使うというものです。
ここでポイントになるのが、「家計費の割合」を決めるということです。
「家計費の割合」と聞いて、初めて耳にする方は「?」と思われたかもしれませんが、
実はコレ、家計管理の上でとても大切なポイントになるのです。
「家計費の割合」を決めると、バランスの取れた家計になり、
貯蓄についても費目の一つとして楽々管理できるようになります。
例えば、住宅ローンでマイホームを買う場合、
毎月の返済額があまりに多いと家計が苦しくなってしまいますよね。
そうならないように、住宅を購入する際は、
あらかじめ買おうとしている物件が毎月いくらの返済になるのかを算出し、
さらに収入に占める割合を必ずチェックします。
(ちなみに一般的には、住宅ローンは収入の20~25%以内に抑えるのが望ましいとされています。)
このように一定の収入の中でやりくりする家計を「住居費」ばかりにかけてしまわないために、
家計の中で目安を設けているのです。
「家計費の割合」は、このように「食費」や「日用品」「こづかい」、
そして「貯蓄」についてもそれぞれに目安を決めて、
バランスのよい家計に切り替えましょうというものです。
では、「家計費の割合」はどのように決めればいいでしょうか。
「家計費の割合」は、家族構成、年代、ライフスタイルによっても、大きく異なってきます。
例えば、世帯主が30代の家計は、子供の出産とともに幼児関連費が多くなります
。乳児がいる家庭では、粉ミルク・紙おむつ代などの支出もかさみますね。
40代の家計では、子供の成長とともに、授業料、塾の費用など教育関係費が多くなります。
また、携帯電話、インターネット接続料などの情報通信関係費も、
その他の年代に比べて最も多くなっています。
50代で多いのは、ペットフード、動物病院代などのペット関連費です。
最も少ない30歳未満の世帯と比べると約4倍となっています。
また、60代の家計では、旅行関連費や、スポーツ施設使用料が多くなっています。
仕事をリタイアし、余暇を楽しむスタイルになっているのが分かりますね。
そして、70歳以上の家計では、交際費、教養娯楽費、
またタクシー代なども他の世帯に比べて最も支出が多くなっています。
このように家計費の割合は、その家庭それぞれのスタイルや、価値観によっても変わってきます。
まずはご自身の家計について、
現状では「何に」「いくら」使っているのか調査するところからはじめましょう。
「住居費」や「教育費」、「水道光熱費」などは毎月の支出が大体決まっていると思います。
下記は、総務省統計局「平成18年家計調査年報」から、年代別に費目ごとの平均支出を出したものです。
これらを参考に、「お金がたまる家計管理」に興味があるあなたは、ぜひ、貯蓄の割合から決めていってはいかがでしょうか。
※平均貯蓄率=(貯蓄純増÷手取り収入)×100
「家計調査」では、消費支出に住宅ローンを含めないため住宅ローンは別途考慮する必要があります