第1回のコラムでは、ひと月でもいいので、

「家計簿」をつけてみることをおすすめしました。
家計簿をつけると、「何に」「いくら」使っているか、
自分の消費傾向をつかむことができます。
また、現在の生活水準を確保するのに、いくらの生活費が必要なのか、
いざという時のためにおおまかに把握しておくこともできます。

そういう点では、「家計簿」は家計を把握するのに欠かせないツールです。
しかし、家計簿の落とし穴もあるんです。

家計簿の落とし穴とは・・・?
よくありがちなAさんの例を見てみましょう。

「毎日、1日分のレシートを集めて支出を振り返り、せっせと家計簿に書き出しています。
1ヶ月も続くと、我ながらよくやったなと達成感が沸いてきます。
継続することに意味があると思いますので、ずいぶん前からちゃんと記録しています・・・」

こうして出来上がったのは、家計“記録簿”です。
家計記録簿の落とし穴は、書き留めることがメインになってしまい、
「何を買った」を確認するだけで、こころが満たされてしまうのです。

家計管理の初心者が、初めて家計簿をつける場合は、これでいいと思います。
しかし、家計簿常連者であれば、【毎月の集計→振り返り→翌月の対策】など、
当月の家計記録を翌月の家計改善のための踏み台にする必要がありそうです。

【毎月の集計】
家計簿は日々の記録とともに、月ごとの決算を忘れずに行いましょう。
毎月の収支(残)の把握もそうですが、食費、日用品、水道光熱費・・・など、
費目(ひもく)別に集計するとよいでしょう。
費目別に集計するのに作業時間は約10分、家計簿ソフトやエクセルなどパソコンで管理している人は、
あっという間に自動で集計してくれます。

【振り返り】
特に赤字が出てしまった月は、原因となったワースト3を書き出してみましょう。
(例:外食が多かった。子供の洋服代が意外とかかった。携帯電話の料金が高かったetc)
振り返りは5分でできますね。ここが一番家計簿を使った家計管理のキモなのです。
慣れてくると、毎月このために家計簿をつけている!という、
とっておきの楽しみな?時間になってきますよ。

【翌月の対策】
そして、「振り返り」をしたら、翌月はその3点に注意をします。
再度、ワースト3に入らないように意識すると、気が引き締まったり、
今月は使いすぎないよう工夫できます。

赤字脱出のために、家計簿を有効活用し原因を探ってみましょう。

家計簿をつけている人でも、毎度の記録がメインとなっているAさんのようなケースはわりと多いと思います。
数年たってから、ちっとも家計が改善されない・・・記録にしかなっていない・・・と
気がついたという声もちらほら聞こえています。
家計簿で家計改善できた♪などと家計簿の苦労が報われなければ、続かなくなってしまいますね。

毎日1円単位で書き出す作業よりも、
1000円単位でもざっくりとお金の出入りをつかみ、集計作業をしたほうが、
家計簿活用度は効果アップ間違いなしです。

では、今回のまとめです。
赤字を出さない家計管理のコツ(1)とは、
「家計簿を記録簿に終わらせず、翌月に当月のよい点、悪い点を反映させること」です。

次回は、家計管理のコツ(2)「家計費の予算化」をテーマにしたいと思います。
どうぞお楽しみに☆