新型コロナウイルスの影響により、政府は2021年1月8日、1都3県の緊急事態宣言を発令し、1月13日に7府県を追加しました。

昨年、緊急事態宣言が発令された時の意外な支出を、総務省統計局が発表している家計調査のデータを元に考察したいと思います。

二人以上の世帯のうち勤労者世帯「収入及び支出金額・名目増減率・実質増減率(月・四半期・年)」

 

以前、

新型コロナウイルスによる家計への影響。20年4月総務省「家計調査」より

のスタッフブログでもお伝えしたとおり、緊急事態宣言により全体的な支出は少なくなっています。

総務省家計調査2019年4月分と2020年4月分のデータをグラフ化

 

上記データの2019年4月ー6月の支出(コロナ前)と2020年4月ー6月(コロナ、緊急事態宣言期間)支出を比較しますと、

実支出は

4月-26,148円 5月-51,640円 6月-6,419円

となっています。

ゴールデンウィークを自宅で過ごし各費目で節約した様子がうかがえます。

しかし更に細かな費目をみていくと、緊急事態宣言下でも増えている意外な費目があります。

1.食料

食料の項目は、4月コロナ前の75102円が74459円になる等、大きな変化はありませんでしたが内容には大きな隔たりがありました。

具体的には外食に掛けていた15456円→6250円と大きく減った一方、家庭で消費する穀物、肉等の購入額が一律10%-20%上昇していました。

緊急事態宣言の間は、外出を避け家で食事をしていた様子がうかがえます。

特に果物加工品、酒類が1/4ほど上昇しています。

2.家具・家事用品

家具・家事用品の費目の中では、家事用消耗品と家事サービスの費目が増えています。

テレワークとなり、部屋を綺麗にしたいという意識が働いた様子が見て取れます。

また、被服及び履物の費目は4月、5月いずれも大きく削減されている中、生地・糸類の支出が大きく増えています。

緊急事態宣言となり、裁縫をする人が増えたのでしょうか。

3.交通

交通の項目も4月-7,336円、 5月-4,508円と大きく前年度割れをしている中、自転車の費目は増えています。

緊急事態宣言で旅行を取りやめ、周辺を自転車で移動する人が増えたのでしょう。

4.その他の支出項目

この中ではたばこの支出が増えていました。緊急事態宣言でストレスをたばこで発散している人も多いのでしょうか?

意外な項目として

有価証券購入、クレジット購入借入金返済の項目も増えていました。

2020年4月は新型コロナの影響で株価が17000円を割り込んだのち、20000円まで回復した時期でした。

新型コロナ前は日経平均株価は24000円だったので、こののち株価が上がると予測し有価証券を購入した人が増えていたのだと想像します。

緊急事態宣言で増えた支出は酒、たばこ、自転車、有価証券

ストレスを発散させる嗜好品が増えていたものと想像します。

今回もいろいろ心理的負担がかかる時期ですが、お酒・たばこはほどほどにしましょう。